統合失調症急性期のハロペリドール投与量

5月 22, 2021
admin

Background: ハロペリドールは、新しい治療法の効果を評価する際の基準となる、利用しやすい抗精神病薬である。

目的 このレビューの主な目的は、統合失調症の急性期患者に対するハロペリドールの最適な投与量の範囲を決定することである。

検索方法。 査読者はBiological Abstracts(1980-1999),CINAHL(1982-1999),The Cochrane Library(1999, Issue 2),The Cochrane Schizophrenia Group’s Register(1999年12月),EMBASE(1980-1999),MEDLINE(1966-1999)及びPsycLIT(1887-1999)を検索対象とした。 また、SCISEARCHデータベース(1980-1999)で引用文献として検索された、同定されたすべての臨床試験と含まれる研究のすべての参考文献を調査した。 また、同定された試験の著者と製薬会社にも連絡を取った。

選定基準。 急性統合失調症の治療を受けている人を対象とし,非デポ剤ハロペリドールの2つ以上の用量範囲に無作為に割り付け,臨床的に意味のある結果を報告している研究を選択した。

データの収集と分析。 査読者は独立して盲検で引用文献を調べ(10%の信頼性チェック)、論文を順番に並べ、全文を確実に再検査し、質を評価した。 また、査読者は独自にデータの抽出を行った。 同質の二値データについては、intention-to-treatベースで相対リスク(RR)、95%信頼区間(CI)を算出した。 レビュアーは、早期に試験から離脱した人、またはフォローアップから外れた人は、否定的な結果であったと仮定した。 intention to treat(ITT)、last observation carried forward(LOCF)データを報告した連続アウトカムについては、加重平均差(WMD)が算出された。 追跡不能が50%以上の場合はデータを除外した。

主な結果 19の異なる無作為化用量比較による16の試験が含まれた。 再発率やQOLのデータを報告した試験はなく,ハロペリドール1.5~3.0mg/日未満とそれ以上の用量範囲を比較した試験もなかった。 低用量(>3-7.5mg/日)の使用は、明らかに効果の低下をもたらすものではなかった(グローバルな状態において臨床的に重要な改善なし、対>7.5-15mg/日 n=48, 1 RCT, RR 1.09 CI 0.7-1.8; 対>15-35mg/日 n=81, 2 RCT, 0.95 CI 0.8-1.2 )。 ハロペリドールの用量が>3-7.5mg/dayの範囲では、高用量に比べて臨床的に重要な錐体外路性副作用の発現率が低かった(臨床的に重要な錐体外路性副作用、対>7.5-15mg/日n=64、2RCT、RR 0.12 CI 0.01~2.1; vs >15-35mg/日n=144、3RCT RR 0.59 CI 0.5~0.8, NNH 3 CI 2~6; vs >35mg/日n=86、2RCT RR 0.70 CI 0.5~1.1) であった。 他のすべての用量範囲間の比較では統計的に有意な差は得られなかったが、いくつかの用量範囲、特に低用量範囲では、臨床的に意味のある差を検出するには力不足であった。

査読者の結論 どの結果も決定的なものではなく、すべて小規模で短期間の研究に基づいている。 しかし、臨床医が合併症のない急性期の精神分裂病患者にハロペリドール7.5mg/日を超える用量を処方することに慎重であり、精神分裂病患者も同様にそれ以上の用量を飲むことに躊躇するとすれば、理解できることであろう。 1.5〜3.0mg/日の用量範囲における有効性と忍容性については、さらなる研究が必要である。

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