Stability of a metabolizableester bond in radioimmunoconjugates

12月 11, 2021
admin

金属放射性核種で標識した抗体を投与し、非標的組織での放射能レベルを下げるために代謝性連結としてエステル結合が使用されてきた。 この放射化学的な抗体設計では、エステル結合は非標的組織で速やかに切断されるべきであるが、標的放射能レベルを維持するためには血漿中でのエステル結合の高い安定性も必要である。 そこで、エステル結合を安定化するための構造的要件を評価するために、エステル結合を有する新しいベンジル-EDTA由来の二官能性キレート剤、(1-ベンジル)エチレンジアミン-N,N,N’-テトラ酢酸;MESS-Bz-EDTA)を開発した。 MESS-Bz-EDTAは、チオール化モノクローナル抗体(OST7, IgG1)のジスルフィド結合を還元してエステル結合を導入し、抗体分子の近傍にカップリングさせたものである。 比較のため、1-ethylenediamine-N,N,N’,N’-tetraacetic acid (EMCS-Bz-EDTA) と meleimidoethyl 3-iodohippurate (MIH) を同じ連結化学の下でOST7とカップリングさせた。 50%マウス血漿または中性pHの緩衝溶液中でインキュベートすると、OST7-MESS-Bz-EDTA-111Inは速やかに放射能を放出し、いずれの溶液中でも24時間後にはエステル結合の開裂により初期放射能の95%以上が遊離された。 一方、OST7-MIH-131Iは、同じ培養期間中に両溶液で放射能の約20%しか遊離しなかった。 マウスの生体内分布試験では,OST7-MIH-131IはOST7-EMCS-Bz-EDTA-111Inに比べ,血液からのクリアランスがやや速く,肝臓や腎臓での放射能濃度が低かったが,OST7-MESS-Bz-EDTA-111InはOST7-MIH-131IおよびスクシンアミドベンジルEDTA-111Inよりもずっと速く,ほぼ同等の放射能を血中からクリアランスしたことが確認された. これらの結果は、エステル結合を持つ放射性標識抗体に関するこれまでの知見と同様に、エステル結合を抗体分子の近くに導入することでエステル結合はエステラーゼのアクセスに対して安定化するが、エステル結合の化学的安定性には、その結合部や放射性標識が大きく関与していることが示唆された。 このことは、これまでに報告されている放射性免疫複合体におけるエステル結合の安定性の違いを説明するものであると思われる。

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