Pathophysiology and functional significance of apical membrane disruption during ischemia
虚血性急性腎不全の発症により、分極した近位尿細管細胞の特性構造が劇的に変化することが明らかになった。 そのため,近位尿細管は虚血の影響を受けやすく,また虚血の持続時間にも依存するため,細胞端の微絨毛の崩壊が急速に進行する. 微絨毛膜は細胞質内に取り込まれるか、内腔に流出する。 微絨毛のアクチンのコアは、これらの膜の変化と同時に、あるいはそれに先行して分解される。 アクチンとその結合タンパク質は、もはや微絨毛に必要なこれらの高度に制御された頂膜構造を形成するために相互作用することはない。 その結果、上皮細胞は、構造的、生化学的、生理学的に極性を持たない、減少した頂膜表面を持つことになる。 さらに、アピカル微絨毛の変化は、尿細管閉塞、Na+吸収の減少をもたらし、糸球体濾過量の減少を部分的に説明するものである。 虚血によって引き起こされるこれらのアクチン表面膜の変化は、アクチン関連タンパク質であるアクチン脱重合因子/コフィリンの活性化とアピカル膜ドメインへの移動に起因することが最近の証拠から示唆されている。 活性化された(脱リン酸化された)アクチン解重合因子/コフィリン蛋白質はフィラメント状のアクチンと結合し、サブユニットのトレッドミル速度を増加させ、フィラメントの切断を行う。 一度活性化されると、拡散した細胞質内分布のアクチン解重合因子/コフィリンタンパク質は、内腔膜ブレットに再局在化する。 アクチン分解因子/コフィリンタンパク質は、回復する過程で再びリン酸化され、通常の拡散した細胞質内局在に復帰する。 このことは、アクチン脱重合因子/コフィリンタンパク質が近位尿細管細胞の虚血誘発性傷害に重要な役割を果たすという仮説を強く支持するものである。