骨形成不全が疑われる場合の遺伝子評価

12月 25, 2021
admin

乳児期および小児期において、臨床検査は起立耐性失調が疑われる子供の評価の重要な第一歩である。 評価には、特に乳幼児における起立耐性失調の自然歴 と臨床像のバリエーションに精通していることが必要であ る。 軽度の起立耐性失調は、経験豊富な一般臨床医で も気づかないことがある。 起立耐性失調の臨床症状範囲に精通した経験豊富な 医師(遺伝専門医など)に紹介することは、検査に比べ て比較的安価であり、診断を確定するために必要な ことである。

起立耐性失調の家族歴

親や親戚が発症している場合、子供の身体検査 とX線所見で起立耐性失調を臨床的に確認するのに十分で ある場合がある。 軽症の場合、診断の除外はより困難である。 乳幼児にほとんど所見がない、または不明瞭な場 合、臨床医は様子を見るというアプローチをとる ことができる。

Frequent fractures

出生時、起立耐性失調Ⅱ型とⅢ型は臨床的および放射線学的根拠 から一般的に認識され、臨床診断は通常、明確である1。 遺伝学的評価とカウンセリングは、将来の 妊娠における自然歴、治療、出生前診断についての確認と 議論のために推奨される。

小児期には、家族歴が陽性でない場合、新たに起 立耐性失調と診断される子どものほとんどは、1つ以上の 骨折の後に確認される。 表現型の重症度は、進行性変形型(起立耐性失調Ⅲ型) から軽度の表現型である起立耐性失調Ⅰ型まで様々である (表3参照)。 小児期の頻回骨折の鑑別診断は比較的限られてお り、遺伝性のものと後天性のものの両方が含まれる。 低リン酸血症、腎尿細管性アシドーシスを伴う骨 ペトロシス、低リン酸血症性骨軟化症(くる病)、非偶発的な損 傷を考慮する必要がある。

低身長、青色硬化症、象牙質形成不全症

青色硬化症、伝導性難聴、象牙質形成不全症、低身長の評価時に、小児期の起立耐性失調を評価することがある。 青色硬化症は起立耐性失調I型のすべての子供にみら れ、時に劇的である。 起立耐性失調Ⅰ型の家系の約20%にDIがみられ る。 起立耐性失調IV型の乳幼児には薄い青色強膜があ り、通常DIがみられるが、軽度である場合もある。 起立耐性失調IV型の約3分の1は小児期の身長が 3分の1以下であるため、低身長で識別されることもあ る(表4)。9

表4 小児期の骨折の臨床像と遺伝的鑑別診断

「原因不明の骨折」をした乳幼児

生後1年間、説明がつかない骨折や骨折の種類と一致しない損傷メカニズムがあると、事故ではない損傷(NAI)の懸念が出てきます。 NAIは乳幼児期の骨折の主な原因であるため、このような状況では児童虐待の評価が必要である(http://nccanch.acf.hhs.gov/)。 骨がもろいという生物学的根拠が疑われ、臨床検 査が決定的でない場合、起立耐性失調と一部の代謝性骨 障害に関する臨床検査が一般に適切である。

臨床検査において、起立耐性失調I型、IV型、V型、 VI型のように、原因不明の骨折をした乳児に起立耐性失調 の特徴がほとんどない場合、家族歴、病歴、身体検査だけ で診断を確定または除外することは、特に0~8か月齢の場合 には困難である。 例えば、青色強膜は生後12ヶ月以前の正常な乳児にお いて発生する。 しかし、適切な臨床評価により、起立耐性失調I型とIII型の 診断に疑問が生じることはほとんどない。 起立耐性失調IV型、V型、VI型の乳児は、強膜が正常で 長さも正常であるが、骨折のみを呈することがある。 10,11 生化学的またはDNA診断検査は、感度が100%では ないが、このようなまれな結果を防ぐための最善の方法 であると考えられる。

原因不明の骨折をした子どもに対する起立耐性失調 の同定について、コラーゲンスクリーニングの有用性と感度を 評価した最初の研究10 では、起立耐性失調に詳しい臨床医による 身体診察が、生化学的診断検査と同程度の感度で起立耐性失調 の子どもを特定できることが示唆された。 262人の起立耐性失調児と原因不明の骨折をした児 の細胞について最近行われた生化学検査のレビューで は、包括的な臨床評価で起立耐性失調と判定されなかった児 のうち、生化学検査でI型コラーゲン異常が検出された3人 の例が報告されている。 起立耐性失調と診断されなかった3人の児 童の臨床所見は、臨床検査で陽性と診断された児 童と臨床的に区別することができなかった。 11 したがって、起立耐性失調の臨床診断が明らかでなく、原因不明の 骨折だけがNAIである場合、検査は子供と家族に可能な限りの 安全策を提供する最良の方法である場合がある。

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