アミノ酸ジペプチド:小さいが50年後も影響力がある
ポリペプチド鎖のコンフォメーションは、アミノ酸残基ごとに2つあるφとψと呼ばれる骨格ねじれ角の値で、精度よく記述できる(図1)。 約50年前にRamachandranらによって示されたように(1)、ねじれ角φとψで表されるポリペプチドのコンフォメーションの分布を2次元グラフで表すことは簡単で、それ以来Ramachandranプロットと呼ばれるようになった。 彼らは、ポリペプチド鎖の1残基がとりうるコンフォメーションを、1アミノ酸残基のほかに、前後のα炭素原子までの隣接残基の一部を含み、2つの平面ペプチド群を含む単純なモデルで解析し、このモデルに(体系的ではない)ジペプチドという名称をつけたのである。 標準的な原子半径を仮定し、原子が重なるコンフォーメーションを認めないようにしたところ、2つの可変ねじれ角の組み合わせで、原子が重ならない好ましい構造(図1では灰色の斜線)が比較的少ないことが分かった。 PNAS では、Avbelj と共同研究者 (2) が、溶液中のペプチドのコンフォメーション分布に関する新しい情報を発表している